マイクロソフトは、「SQL Server 2005」と「Visual Studio2005(VS2005)」の日本語ベータ版の提供を8月3日に開始した。「新しいSQL Serverは、ユーザーのTCO(総所有コスト)削減に重点を置いた」と、米マイクロソフトの上級副社長であるエリック・ラダー氏は説明する。

 SQL Server2005は、「Yukon」というコードネームで開発された製品。SQL Server2000と比べ性能を20%向上させたほか、ミラーリング機能を改良して障害復旧の時間を短縮するなど、運用の負荷を軽減。SQL Server内のデータを分析するためのツールやレポート機能を強化した。「現状システム管理者は、作業時間の60~70%を既存システムの運用管理に費やしている。これを減らすのが狙いだ」(ラダー副社長)。

 開発生産性も向上させた。インデックスやクエリーを自動的にチューニングする機能を搭載。ストアド・プロシージャをSQL Server独自のTransact-SQLだけでなくVisual BasicやVisual C#を使って開発できるようになり、Visual Studio2005との連携がより強固になった。Visual Stuio2005も機能を強化。プルダウン・メニューを選択するだけでコードを作成する機能や、コードの修正案を表示する機能を備える。

 両製品とも来年の中頃の出荷を予定するが、ベータ版を試用したユーザーの反応によっては変更する可能性がある。それらを製品に反映させるためである。「今回の来日でも、多くの開発者や専門家の意見を聞くことができた」とラダー副社長は明かす。「それらを製品にフィードバックすることが顧客満足度向上につながる。実際、SQL Server2005とVS2005にも、これまでに寄せられたパートナやユーザー企業の意見を反映させている」という。

 両製品のベータ版は、開発者向けサポート・サービスであるMSDNの会員と、マイクロソフトの資格であるMCDBAかMCSDの取得者に配布。マイクロソフトが9月に開催する「Tech・Ed 2004 Yokohama」の参加者にも配る。両製品の簡易版であるExpress Editionのベータ版は、マイクロソフトのWebサイトでダウンロードできる。

(福田 崇男=日経コンピュータ)