島根銀行は8月2日、勘定系システムを中核とする基幹系システム全般の開発・保守・運用を、日本IBMにアウトソーシングすると発表した。契約期間は今年8月から2011年7月までの7年間。契約金額は公表していない。

 島根銀行は現在、主に日本IBMのメインフレームで基幹系システムを稼働させている。ただ一時は、富士通への乗り換えを決めていた。今から4年前の2000年10月、島根銀行は富士通の勘定系パッケージ「PROBANK」を導入すると発表した。ところが富士通がPROBANKの開発に難航。島根銀行は2002年11月にPROBANKの採用を取り止めた経緯がある。

 今回のアウトソーシングの決断で、島根銀行は少なくとも今後7年間は、引き続きIBMのシステムを使い続ける可能性が高い。揺れ動いた島根銀行の次世代勘定系システム構想は、既存ベンダーへのアウトソーシングという形で一件落着した。

 島根銀行はアウトソーシングに踏み切った理由について、「IBMの力を有効利用するのが狙い」(事務システムグループ)と説明する。具体的には、システム開発の生産性向上や、IBMが持つ災害対策用バックアップ・センターの利用、高度なセキュリティの確保といった効果を見込む。「現在と同等程度のシステム投資で、より大きな効果が得られる」と同行は期待している。

大和田 尚孝=日経コンピュータ