オムロンソフトウェアは、ICタグを使ったシステムを構築するためのキット「RFID開発キット」を8月23日から出荷する。ICタグやリーダー/ライター、アンテナといった機器と、プログラム開発に必要なソフトウエア・ライブラリを同梱した。ICタグ・システムを手がけるシステム・インテグレータやソフトハウス向けに販売する。

 RFIDキットに含まれるライブラリは、リーダー/ライターを制御してICタグのデータを読み書きしたり、初期化する機能を持つ。Windows 2000/XP上で稼働するVisual BasicやVisual C++から呼び出し可能なActiveXコントロールとして提供する。

 オムロンソフトウェアCS事業部RFID拡業グループの松藤浩二主任は、「ICタグを用いたシステムを開発する上では、リーダー/ライターを制御する専門的なソフト開発知識が必要。だが、このライブラリを利用すれば、その必要がなくなる」とメリットを説明する。ICタグから読み取ったデータをCSV形式でファイル出力する機能もある。

 価格はライブラリにICタグ15枚、リーダー/ライター、デモンストレーション用プログラム2本が付いて35万円。ライブラリを利用したシステムを外販しても、追加ライセンス料は発生しない。

 松藤主任は、「かなり思い切った値段を付けた」とする。「RFIDキットを使ってシステム・インテグレータにシステム構築してもらえれば、それだけICタグやリーダー/ライターを使うユーザー企業が増える。そうなれば、ICタグを扱う(親会社の)オムロンの販売機会も増えるからだ」と続ける。

松浦 龍夫=日経コンピュータ