日立製作所は、文書を印刷する際に、電子透かしを自動的に埋め込むプリンタを開発した。このプリンタで印刷した紙を後からスキャナで読み込むと、電子透かしに含まれるデータを検出できる。プリンタごとにユニークなコードを割り振っておくと、情報漏えいの発生場所を特定できる。

 同社が7月22日と23日、東京国際フォーラムで開催している「HITACHI-ITコンベンション 2004」で参考展示した。昨年10月に同社が開発した、モノクロ画像用の電子透かし技術を使った試作品である (関連記事)。プリンタ・ドライバのソフトウエアに電子透かしのエンコーダを実装してある。このため、アプリケーションの種類を問わず、印刷する文書すべてに自動的に電子透かしを入れることができる。現在、日立製プリンタだけで動作する。他社製プリンタへの対応は調査中である。

 同社は年内にプリンタ・メーカーと共同で、企業向けのソリューション・サービスなどを展開することを目指している。

本間 純=日経コンピュータ