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Groove Virtual Officeの画面 システム・コンサルタンツは7月8日、PtoP(ピア・ツー・ピア)技術を使ったグループウエアの新版「Groove Virtual Office v3.0(写真)」を出荷した。新版では主にセキュリティ機能を強化し、企業が安心して導入できるようにした。

 Groove Virtual Officeは、ロータス ノーツの開発者であるレイ・オジー氏が創業した米グルーブ・ネットワークスの製品。従来は「Groove Workspace」という名称だった。クライアント・ソフトウエア同士がサーバーを介さずにデータをやり取りする。協力会社のスタッフや外出中の社員など、社内LANに接続できない環境でも社内と同様に利用できる。複数の会社にまたがったプロジェクトでの共同作業に向く。

 ただし、PtoPグループウエアはファイヤウォール越しに情報をやりとりできるため、セキュリティ面の心配から導入を渋る企業もある。そこで、Groove Virtual Office v3.0ではセキュリティ機能を強化。さまざまなウイルス対策ソフトと連携して、ファイル・コピーのたびに内容をチェックするようにした。

 このほか、オプション製品として「エンタープライズ・マネジメント・サーバー」を用意した。Grooveは通常クライアント・ソフトだけで利用するが、エンタープライズ・マネジメント・サーバーを追加すると、各クライアントを集中監視し、コピーや編集など操作履歴のログを残すことができる。情報流出などの懸念に配慮した。

 Groove Virtual Office v3.0はセキュリティ機能に加えて、個別メンバーの在席通知といったプレゼンス機能、パソコンを使ったIP電話(音声チャット)の機能などを新たに備える。プログラム・コードも見直し、動作速度を従来の2.5~3倍に向上させた。

 価格は、ひと通りの機能を備えたプロフェッショナル版が1ユーザー2万9500円、プロジェクト管理機能を備えたプロジェクト版が同3万7800円(いずれも5ライセンス購入時)。オプションのエンタープライズ・マネジメント・サーバーは396万5000円。エンタープライズ・マネジメント・サーバーはASP(Application Service Provider)形式でも提供する。動作環境はWindows NT4.0/2000/XP。操作メニューなどは英語版だが、今後日本語化を進める。

本間 純=日経コンピュータ