NTTコミュニケーションズ(NTTコム)、NEC、三菱地所は、NTTコムの公衆無線LANサービス「ホットスポット」の位置情報を活用した情報配信実験を東京・丸の内エリアで始める。ホットスポットの利用者ごとに最適な情報を動的に生成し、配信する実験だ。実験は7月15日から10月15日まで。情報配信サービスの市場性や有益性を実証することが目的である。

 今回の実験は、丸の内エリアにある80カ所のホットスポットが対象。三菱地所が開設した丸の内エリアの情報サイト「Marunouchi.com」に掲載している店舗情報を配信する。情報配信には、NECの情報配信ソフト「TPOCAST」を使う。TPOCASTは、サーバーにアクセスした時刻や、あらかじめ登録しておいた利用者情報、利用者のアクセス履歴などに応じて、最適な情報をデータベースから選び出し、電子メールやWebページを生成・配信する。

 情報配信の流れは次のようになる。まず、利用者がホットスポットの無線LANアクセス・ポイントに接続。すると、ログイン用ページにMarunouchi.comの検索画面が表示される(写真)。ここで「食事をする」などの検索ボタンをクリックすると、接続しているホットスポットの周囲半径1Km圏内にある店舗情報を検索結果として表示する。

 検索条件としては、無線LANの位置情報(緯度・経度)だけでなく、事前に登録した利用者の性別や年齢、アクセス履歴の分析結果も使う。例えば、年配の男性なら和食店を優先表示し、若い女性なら喫茶店を優先表示するという具合だ。早朝や深夜に検索した場合は、閉店時間帯の店舗は検索対象から外す工夫もしている。

 実験モニターは、NTTコムのホットスポット利用者から1000人を募集する。NTTコムのホットスポット公式ページ にて、7月15日から受け付ける。個人情報を保護するために、既存の契約者IDとは別のIDを発行し、性別と生年月日のみを収集、実験に利用する。

目次 康男=日経コンピュータ