NECは7月8日、Itanium2を搭載したサーバーの新シリーズ「NX7700iシリーズ」の発売を開始した(写真)。NX7700シリーズの後継で、UNIXのみだった稼働OSにWindowとLinuxを加えた点が新しい。NX7700シリーズと同様、CPUやメモリーを「セルカード」と呼ぶボードに搭載しており、セルカードごとに異なる実行環境を構築できる。

 1枚のセルカードには、Itanium2を最大4基、メモリーを最大32Gバイト搭載できる。カードごとにメモリー管理やI/O制御を行うため、サーバーに搭載したカードの枚数分だけ独立した実行環境を構築可能だ。なお動作保証OSは、UNIXが「HP-UX 11i v2」、Linuxが「Red Hat Enterprise Linux」、Windowsが「Windows server 2003」である。

 例えば、3枚のセルカードを搭載した場合、UNIX、Windows、Linuxを1台のサーバーで同時に動かせる。一つの実行環境に3枚のカードを割り当てて処理能力を増強したり、1枚のカードを予備として割り当て、稼働中のカードに障害が発生した際に自動的に処理を引き継ぐといった使い方もできる。

 新シリーズの発売に合わせ、新たな販売促進プログラムも開始する。一つはNX7700iシリーズへの買い換え対象となるサーバーを下取りする「トレードアッププログラム」。NEC製だけでなく日本IBM製とサン・マイクロシステムズ製のサーバーも下取りの対象となる。もう一つが、リース料金の支払いを最大6カ月まで繰り延べられる「支払い遅延プログラム」である。2004年末には、複数のセルカードを搭載した状態でサーバーを販売し、実際に利用した時点から課金する「フレキシブルセルカードプログラム」も開始する計画だ。

 NE7700iシリーズは、7つの製品モデルから構成される。モデル名と価格は以下の通り。最大64CPU搭載の「NX7700i/3160H-64(1億1700万円から)」、最大32CPU搭載の「同3080-H32(3500万円から)」、最大16CPU搭載の「同3040H-16(2200万円から)」、最大8CPU搭載の「同3020M-8(834万円から)」、最大4CPU搭載の「同/3010L-4(346万円から)」、最大2CPU搭載の「同301L-2(127万円から)」と「3010E-2(59万円から)」。

(目次 康男=日経コンピュータ)