インテルは6月29日、ワークステーション向けプロセサXeonの新製品の出荷を開始した。米アドバンスト・マイクロデバイセズ(AMD)のOpteron/Athlon 64が採用する64ビット技術「AMD 64」と互換性のある64ビット技術「エクステンデッド・メモリ64テクノロジ(EM64T)」を搭載した初めての製品である。この新型Xeonを搭載したワークステーションは、デル、日本IBM、NEC、日本ヒューレット・パッカード、富士通が出荷を予定している。

 動作周波数別に、3.6GHz、3.4GHz、3.2GHz、3GHz、2.8GHzの5種類の製品がある。1000個注文時の単価は順に、9万4460円、7万6590円、5万500円、3万5070円、2万3190円。

 消費電力の増大を抑えるため、ノート・パソコン用の省電力技術である「SpeedStepテクノロジ」を応用した「デマンド・ベース・スイッチング(DBS)」という省電力技術を採用した。プロセサにかかる負荷に応じて動作周波数/動作電圧を3段階に切り替える。例えば、3.6GHz動作の製品には、3.6GHz/1.4V、3.2GHz/1.3V、2.8GHz/1.2Vの3段階の動作モードがある。

 システム・バスの動作周波数は従来の533MHzから800MHzに向上した。ハイパー・スレッディング・テクノロジを搭載し、マルチメディア命令としてストリーミングSIMD拡張命令3(SSE3)を採用した。1Mバイトの2次キャッシュ・メモリーを内蔵。90nmプロセス技術で生産される。

 同プロセサ向けのチップセット「E7525」の出荷も同時に開始した。デュアル・プロセサ構成が可能。次世代I/O技術であるPCI Expressを搭載した。DDR2メモリーも利用できる。1000個注文時の単価は1万1100円。

大森 敏行=日経コンピュータ