ソフトベンダーのトラステッドソリューションズは、秘密分散方式を使った情報管理ソフトを開発した。7月末までに出荷する。

 秘密分散方式は、保護したいファイルを圧縮・暗号化した後、複数のファイルに分割して保存する方法。例えば、パソコンのハードディスクとUSBメモリーなどに分けて保存する。分散された複数のファイルを持ち寄らなければ、元のファイルは復元できない。

 いくつに分散するか、元のファイルの容量をどういう比率で分散するかは、自由に設定できる。あるファイルを三つに分け、うち二つのファイルを集めれば元のファイルを復元できる、という設定も可能になっている。

 トラステッドソリューションズの杉原英文代表取締役社長は、「分散して保存しておくというシンプルな仕組みだが、情報漏洩や改ざんに対して、強固で運用しやすいシステムを構築できる」と主張する。

 写真は、パソコンのファイルを保護するソフト「SplitSafe」。ソフトをインストールするとパソコン内部に仮想ドライブを作成。その中に保存したファイルは自動的に圧縮、暗号化され、ハードディスクとUSBメモリーにファイルを分割して保存する。分割の比率をハードディスク側を9、USBメモリー側を1とすると、128MBのUSBメモリーで469MBまでのファイルを保護できる。

 このほか同じ技術を使用した、ファイル・バックアップ・ソフト「Trusted BRware」、セキュリティを確保してファイルを転送するソフト「Trusted Exchange Manager」も同時期に出荷を開始する。これらの3ソフトを利用した場合の価格は、1000クライアントで700万~800万円になる見込み。沖電気工業、日立ケーイーシステムズCIJを通じて販売する。

坂口 裕一=日経コンピュータ