PFUは、過去の紙文書を電子保存するときに使う時刻認証サービスを9月に開始する。2005年4月にも施行される「e-文書法」を視野に入れたサービスである。

 現在、税務関連の文書や契約書など、さまざまな文書を紙で保存することが法律で義務付けられているが、e-文書法が施行されると規制が大幅に緩和される。法律上、ほとんどの紙文書は、スキャンしたイメージ・データの形で電子的に保存できるようになる。企業は紙文書の保管コストを削減できる。

 ただし、電子保存するにあたっては、紙文書をスキャンしたイメージ・データが、特定の時刻に確かに存在したことと、その後改ざんされていないかという原本性を保証する仕組みが欠かせない。ここで時刻認証を利用する。PFUの佐藤伸一プロダクト本部イメージビジネス営業統括部第一営業部長は、「裁判などで証拠として使えるようにするために、スキャン・データには正確な時刻認証が必要になる」と説明する。

 時刻認証サービスを利用する際は、まず、ユーザー側で紙文書をスキャンし、イメージ・データのハッシュ値を用意する。このハッシュ値をPFUのセンターに送ると、センターではハッシュ値に時刻データを付与して、暗号化した後、返信。これによって、その時刻に文書のスキャン・データが存在したことを証明できる。原本性については、時刻を付与したハッシュ値と、保管されているイメージ・データから再度生成したハッシュ値が一致すれば、その時刻以降にデータが改ざんされていないことを証明できる。

 PFUは自社の業務用スキャナと合わせて、時刻認証サービスを拡販する考え。料金は、1ユーザーあたりの初期登録費用が1万円、1万文書あたり10万円。

坂口 裕一=日経コンピュータ