メール・サーバー・ソフト・ベンダーのセンドメールと、Webグループウエア「desknet's」を開発・販売するネオジャパンは6月15日、業務提携を発表した。両社製品をセット販売することで導入を容易にし、ノーツ/ドミノなどからの移行を狙う。

 具体的には、センドメールが同社製メール・サーバー・ソフト「Sendmail Advanced Message Server」を「Sendmail for desknet's」という名称で用意。通常価格の約半分である12万円(50ユーザー)で提供する。ただし、desknet'sにバンドルした形でしか販売しない。

 ネオジャパンはこれまで、ノーツ/ドミノやStarOfficeからWebベースのグループウエアに移行したいという企業を中心に製品を提供してきた。ただ、desknet'sはメール・サーバーを含んでおらず、メールを利用するには、他社のメール・サーバー製品と連携させる必要がある。例えば、グループウエアとメール・サーバーのお互いのユーザー・アカウントやユーザーが属するグループ情報を共通にするといった仕組みを、ユーザー企業ごとに開発してきた。

 そこで今回、最も連携実績が多かったセンドメールと提携。製品をセットで提供する。ただ、現在は連携機能は製品に組み込んでいない。「実績は多いため、すぐに連携させることはできる」と齋藤晶議(あきのり)社長(写真左)は説明する。連携機能は、年内にも標準機能として提供する予定である。

 もう一つ、センドメールを選んだ理由として齋藤社長は、「センドメールの最新技術を取り入れるスピードも、ユーザー企業にとって大きなメリットであると考えた」と説明する。例えばセンドメールは、マイクロソフトのCaller ID for E-Mailや米ヤフーのDomainKeysなどのメール送信者認証技術を、製品にいち早く実装。すでにテストを開始している。

 センドメールにとっても、ノーツからインターネット標準のメール・サーバーに移行したい企業へのアプローチは強化したい。ただメール以外の、掲示板やスケジューラの機能は、センドメール製品にはない。そのため、「ノーツから脱却したいユーザー企業の場合、メール以外の機能をどうするかが課題だった」と小島國照社長(写真右)は語る。そこで、ネオジャパンとの協業に踏み切った。

 Sendmail for desknet'sの出荷は6月15日から。ソフトバンクBBを経由して販売する。月間50~100企業への導入を見込んでいる。

福田 崇男=日経コンピュータ