アシュリオン・ジャパンは今年秋から、携帯電話機を対象にした保険サービスを始める。毎月一定額を支払うと、携帯電話の紛失や故障の際に代替機を配送するもの。料金は月額300~500円を予定している。

 同社は、米国で同様のサービスを展開する米アシュリオンの日本法人。米国では18年前からサービスを展開しており、携帯電話ユーザーの約1割に当たる1300万人の会員がいる。日本では、まず今年末までに10万人の会員獲得を目指す。その後は、携帯電話会社との提携で会員拡大を図る。

 日本法人の社長は、インターネット広告会社であるダブルクリックの前社長、木戸孝氏。木戸氏は「携帯電話機の紛失や故障をきっかけに、他の携帯電話会社へと乗り換えるユーザーが多い。アシュリオンのサービスはユーザーに安心感を与えるだけでなく、ライバルへの乗り換えを防止したい携帯電話会社にとってもメリットがある」と話す。

 基本的には、紛失・故障した携帯電話機と同型の機種を提供するが、ユーザーが差額を支払えば、同じ携帯電話会社の別の機種を用意するサービスも検討している。

 同社は、KDDIが「au」ブランドで展開する一部機種のユーザー向けに、電話帳データなどのバックアップ・サービスも提供する意向。携帯電話向けのアプリケーション実行環境「BREW(Binary Runtime Environment for Wireless)」に対応した専用ソフトを使い、携帯電話機の中のデータをアシュリオンのサーバーに随時バックアップする。

本間 純=日経コンピュータ