サン・マイクロシステムズは6月7日、データ・バックアップ用のディスク・アレイ装置「Sun StorEdge 3511 FC Array with SATA(写真)」の販売を開始した。3511は、シリアルATA(SATA)インタフェースのHDD(ハードディスク・ドライブ)を採用。「バックアップ・データ用途に特化したディスク・アレイ装置に対するユーザー企業の要望が高まっており、3511はこの要望に応えた製品」(サン)とする。

 SATAインタフェースのHDD(SATAディスク)は、従来のディスク・アレイ装置で使われることが多かったSCSIディスクやファイバ・チャネル(FC)ディスクに比べて低価格で調達できる。そのため、EMCやHP、IBMなどの主要ベンダーが去年から相次いでSATAディスクを採用したディスク・アレイ装置を出荷している。

 HDDの最大容量は3Tバイト。サーバーとの接続に使うファイバー・チャネル(FC)ポートを最大12個搭載できる。価格は1.25Tバイトの構成で287万9000円から。

 またサンは同日、二つのストレージ管理ソフトの販売を開始。ユーザーの設定に従ってデータを自動保存するソフト「Sun StorEdge SAM-FS 4.1」と、同社製ファイル・システムの新版「Sun StorEdge QFS 4.1」である。価格はそれぞれ135万円からと144万円からとなっている。

 SAM-FSは、あらかじめ決めたデータの種類や利用者の部署などの設定に基づき、自動的にデータをバックアップする。その際データの保存先を、ディスク・アレイ装置やテープ・ライブラリ装置などの複数のストレージ機器に振り分ける機能を持つ。QFSは、あるファイルにアクセスが集中した場合などでも、アクセス速度が落ちないようにする機能を持つ。

 サンは3511やSAM-FS、QFSをストレージ業界で流行しているデータ管理手法「情報ライフサイクル管理(ILM)」を推進するための製品と位置づけている。ILMはデータの重要度や保存してからの時間、ユーザーの利用頻度などを基に、保存先のストレージ機器を動的に変えていく管理方法である。

鈴木 孝知=日経コンピュータ