ERPパッケージ(統合業務パッケージ)ベンダーの日本ピープルソフトは6月3日、製品戦略を明らかにした。これは米ピープルソフトが昨年8月に米JDエドワーズを買収したのを受けたもの。ピープルソフト、JDエドワーズの製品をそれぞれ残し、ピープルソフトは企業規模別に三つのERPパッケージを販売する。

 ピープルソフトが販売していた大規模企業向けERPパッケージ「PeopleSoft」は「PeopleSoft Enterprise」の名称となる。一方、JDエドワーズが販売していた大規模から中堅企業向けERPパッケージ「J.D. Edwards 5(One World)」は「PeopleSoft EnterpriseOne」、中堅規模企業向け「World」は「PeopleSoft world」となる。Enterpriseは売上高10億ドル以上の政府、自治体、サービス産業への導入を、EnterpriseOneは売上高1億ドル以上の企業や大規模な製造業、流通業への導入を目指している。WorldはハードとERPパッケージを一体化した製品を出すなどして、売上高1億ドル未満の企業を狙う。

 「これらの製品はピープルソフト、JDエドワーズ時代の製品の機能をそのまま引き継いだだけではない」とピープルソフトの日本・アジア パシフィック プロダクト&インダストリ ソリューション ディレクターのレイ・クロス氏は強調する。例えばEnterpriseOneの場合、J.D Edwardsにはなかった、購買業務のためのSRM(サプライヤ・リレーションシップ・マネジメント)や企業業績を管理するパフォーマンス・マネジメントの機能を、PeopleSoftから切り出し統合した。

 クロス氏は、「異なる企業規模向けに三つの製品を持っていることに意義がある」と主張する。「SAPやオラクルは大規模企業向けの製品を基盤として、中堅企業向けの製品を出している。しかし当社はJDエドワーズと合併したことにより、それぞれの企業規模に向けて最適化した製品を持つことになったからだ」(クロス氏)。Enterpriseなどの新製品は米国では今年の第1四半期から順次出荷している。

島田 優子=日経コンピュータ