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監視カメラ・システムを手軽に実現、日本SGIが“手のひら”サイズのサーバー投入
ViewRangerの最大の特徴は、カメラによる撮影、画像の蓄積、管理者への通報、各種の設定といった、監視カメラ・システムに必要な機能をひと通り組み入れたこと。きょう体の大きさは幅9.5cm、高さ6.5cm、奥行き2.4から3.3cm、重量100グラム前後である。 ViewRangerには二つのモデルがある。一つは、200万画素のCMOSカメラを搭載した「CMOSモデル」(写真)。もう一つは、カメラを搭載せず、画像入出力用のNTSC端子を搭載した「NTSCモデル」である。NTSCモデルでは別途カメラを用意し、これを接続して使う。 2モデルともに、画像圧縮技術「MPEG-4」を使った動画のリアルタイム・エンコーダー、動画や音声を蓄積する64Mバイトのメモリー、無線LANやPHSなどの通信カードを差し込めるコンパクト・フラッシュ型のスロット、音声を拾うマイクの接続端子など外部入出力用の各種インタフェースを備える。 NTSCモデルはCMOSモデルより接続端子を多く備える。外部制御用のRS-232Cコネクタを二つ搭載(うち一つはカメラ制御専用)。100BASE-TXのLANコネクタも標準で備える。CMOSモデルはこれらを搭載しないので、基本的には無線ネットワーク経由で制御する。 またNTSCモデルはカメラ機能を本体に持たないぶん、より長時間の動画を本体に蓄積することが可能である。NTSCモデルは必要な動画を2時間程度蓄積できる。これに対してCMOSモデルは約1時間となっている。 ViewRangerは、OSにUNIX互換のNetBSDを採用している。ユーザーはパソコンから直接ViewRangerにアクセスして、アラームやメールを使った警報の設定や、カメラなど各種の設定や操作が可能だ。基本的な設定や操作にはWebブラウザも使える。 これまでコンピュータ・ベースの監視システムを構築しようとすると、画像情報をLANを使って転送するIPカメラのほかに、IPカメラを制御するサーバーや、画像データを蓄積するためのサーバーが別途必要だった。構築費用は実現する機能や規模によって変わるが、数十万から数千万円にも及ぶ。和泉社長は「ViewRanger1台に必要な機能を搭載したため、小規模のものならば、これだけで監視システムを組むことが可能だ」と話す。 工場や倉庫、無人の拠点、家庭などを遠隔監視 日本SGIが想定しているのは、施設の遠隔監視である。火事や不審者の侵入をViewRangerが検知し、パソコンに警告を出したり携帯電話のメールに通報する、といった使い方ができる。ViewRangerに接続したマイクで現場の音声を記録したり、接続したスピーカーを通じてパソコンから現場の不審者を声で威嚇することも可能だ。 ViewRangerを担当する小澤広士オペレーション統括は、「本体のサイズが小型で、しかも無線通信のインタフェースを備えているため、設置がとても楽。ベータ版を先行導入しているユーザーにもこの点が非常に受けている」と話す。 またViewRanger内のメモリーに画像を蓄積できるため、ネットワークにトラブルが発生したときにも確実に録画できるというメリットもある。「従来のIPカメラを使ったシステムだと、バックエンドのサーバーにしか録画を残せない」(小澤統括)。 ViewRangerは、記録装置として半導体メモリーだけを使用しており、ハードディスクは搭載していない。和泉社長はその理由を、「監視カメラは屋外にも設置する。ハードディスクは半導体メモリーに比べて、振動や熱に弱い」と説明する。 録画の設定は、次のような流れで進める。設定ツールで、ViewRangerのカメラが撮影している画像を表示。その画像の中で「部屋の入り口」のように変化を検知すべき領域を、設定ツールの画面から選択する。「その領域に大きな変化があった際に、30フレーム戻った時点から録画する」といった形で設定しておく。 「最近の犯罪では、まず最初に監視用のカメラをつぶしたり、さまざまな回線を切断することから始めるケースが多い。ViewRangerは小型なので見つかりにくいところに設置できるし、無線通信や本体の記録機能を使えば、切断の被害も回避できる」と、和泉社長はメリットを強調する。 ViewRangerの販売目標は今後2年間で10万台。和泉社長は「カメラを使った画像のシステム構築ソリューションを大いに展開していく。まずは企業用として展開するが、将来は家庭の防犯装置として、一般ユーザーにも広がっていくだろう」と話す。価格はオープンで、1台15万円程度。「一度に導入する数によって10万円程度に下がる」(和泉社長)。
(高下 義弘=日経コンピュータ)
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