ヤフーは5月31日、ポータル・サイト「Yahoo! JAPAN」の検索エンジンを、従来使ってきた米グーグルのソフトから、米ヤフーが自社開発した「Yahoo! Search Technology」で置き換えた。これまで、ヤフーは「米ヤフーの出資比率は約3割に過ぎず、米国に追随して検索エンジンの切り替えを急ぐつもりはない」としていた。検索キーワードに応じてグーグルから配信されるテキスト広告は、引き続き掲載する。

 米国では、検索サービスのアクセス数ランキングで、米グーグルが米ヤフーを上回る状態が続いてきた。そこで、米ヤフーは米インクトゥミ、米オーバーチュア・サービセズなどの買収で手に入れた検索技術を基に、自前の検索エンジンを開発し、成長著しいグーグルへの対抗を図ってきた経緯がある。既に今年2月から、自社開発の検索エンジンに切り替えている(関連記事)。

 日本の場合、アクセス数では依然としてヤフーの優位が続いている。だが、検索エンジンに関しては「goo」、「infoseek」、「エキサイト」、「@nifty」、「BIGLOBE」などの大手サイトが軒並み採用したグーグルが一大勢力を築いた。今回、ヤフーはようやく反攻に出たと言えそうだ。一方、グーグルの日本法人は「米本社が新規株式公開(IPO)を控えているためノーコメント」としている。
 
 米ヤフーの検索エンジンを導入したのは、キーワードに一致するWebページを自動的に探し出して表示する、ロボット型検索の部分。人の手で登録されたデータベースを基に結果を表示する「カテゴリ検索」と呼ぶ機能は、影響を受けない。新しい検索エンジンは、「引っ越し」と「引越し」といった日本語の表記のゆれにかかわらず、同じ結果を表示できるようになった。さらに、VIPタイムズ社の「日本タレント名鑑」のデータベースを組み込んだ。タレント名を検索したとき、結果を表示するページに顔写真を表示する。

本間 純=日経コンピュータ