「セキュリティと信頼性の高さを武器に日本企業向けIP電話市場で地位を高めていく」。こう語るのはIP電話ベンダー大手の米アバイア ストラテジー&テクノロジーのカリン・マシマ上級副社長(写真)である。アバイアは企業向けIP電話の世界市場においてシェア1、2位を争っているにもかかわらず、日本では存在感が薄い。

 セキュリティと信頼性対策としてマシマ上級副社長は、「アバイアはIP電話を管理するコール・サーバーのOSにLinuxを採用している。そのため、Windowsを使うシスコシステムズの製品に比べてセキュリティが高いと考えている。ウイルスなどによる外部からの攻撃を受けにくいので、信頼性の面でも自信がある」という。

 ほかにも、「当社の製品を使えば、コール・サーバーとIP電話機の間、LAN上の音声パケットまで暗号化が可能だ。通信網での盗聴だけでなく、建物内での盗聴を防ぐことができる」(マシマ上級副社長)というメリットを訴える。こうした暗号化機能を持つ製品は少ない。

 日本アバイアの鵜野正康社長は、「アバイアは日本では後発のベンダー。これまでは、新規案件が多いコンタクト・センターに絞って売り込みをかけていた。これらのメリットを武器に、今後は国内ベンダーとの提携を進め、一般企業での認知度を高めていく」と意気込む。

鈴木 孝知=日経コンピュータ