日本IBMは5月17日、Webブラウザから利用するオフィス・アプリケーション「Lotus Workplace 2.0」を発表した。メールとカレンダー、文書管理、インスタント・メッセージ、コンテンツ管理、eラーニングの5種類の機能を提供する。メール・サーバーやカレンダー・サーバーなどのサーバー機能と同時に、Javaベースのクライアント用ソフトを配布する仕組みを備える点が特徴。エンドユーザーはブラウザだけで5機能を利用できる。Lotus Workplace 1.1の新版だが、「1.1は使い勝手の面で日本のユーザーの要望に耐えられるものではなく、販売を見送っていた。日本市場では事実上の新製品だ」(日本IBMのソフトウェア事業ロータスソフトウェア ブランドマネージャーである澤田千尋部長)という。

 目玉は、メール/カレンダー・クライアントと、ワープロ/表計算などオフィス・ソフト(文書管理)を、Javaベースのリッチ・クライアントとして提供する点。エンドユーザーは、ブラウザを使ってWorkplaceサーバーからリッチ・クライアントをダウンロードするだけで、メール/カレンダーとオフィス・ソフトの機能を利用できる。HTML(Webページの記述言語)ベースのWebアプリケーションと違って、文字入力が容易、ドラッグ・アンド・ドロップができるなど、操作性が高い。Javaベースであるため、クライアントの動作環境を問わないうえ、エンドユーザーによるインストール作業が不要になる。

 リッチ・クライアントは、一度ダウンロードするとそのままデスクトップに保存され、次回からはそのプログラムを起動するだけで利用可能。オフラインでもメール作成やスケジュールの編集、文書の編集といった作業ができる。インスタント・メッセージ、コンテンツ管理、eラーニングについては、Webアプリケーションとして提供される。

 価格については、「正式には6月に発表するが、サーバーへの課金はなく、クライアント数と利用する機能に対する課金になる。例えば主機能であるメールとカレンダー機能は1ユーザーあたり5000円以下。リッチ・クライアント版は月額数百円になる見込み」(澤田部長)。サーバーの動作OSは、Windows2000、SuSE Linux、AIX。

松浦 龍夫=日経コンピュータ