シトリックス・システムズ・ジャパンは、シンクライアントを実現するソフトの新製品群「Citrix MetaFrame Access Suite」を5月13日から順次出荷する。アクセス制限やシングル・サインオンに特化したソフトを新たに加えた。

　「ユーザー企業はIT予算をなかなか増やせないでいる。その一方で、ユーザー部門からは、MetaFrameサーバーで管理するアプリケーションを社内外からアクセスしたいというニーズが高まっている。そこで、セキュリティを保ったうえで、どこからでもMetaFrame上のアプリケーションを利用できるようなアクセス・インフラを実現するために、新しい製品群を投入した」と、シトリックス・システムズ・ジャパンの田中正利代表取締役社長は説明する。

　MetaFrame Access Suiteは、四つの製品で構成する。従来のシンクライアントを実現するためのソフト「MetaFrame Presentation Server 3.0」、MetaFrameを使った通信の暗号化やユーザー認証、アクセス制御といったセキュリティを確保するための「MetaFrame Secure Access Manager 2.1」、シングル・サインオン用ソフト「MetaFrame Password Manager 2.5」、同一のアプリケーション画面を複数ユーザーで見たり、ファイルなどを複数ユーザーで共有するソフト「MetaFrame Conferencing Manager 3.0」である。

　Secure Access Managerは、サーバーとクライアント間の通信をSSL-VPNを使って暗号化する機能を強化した。従来は、MetaFrame独自のプロトコルである「ICA」だけを暗号化できたが、新たにHTTPも暗号化できるようにした。また、MetaFrameサーバーで管理する複数のアプリケーションを、ユーザーごとに用意するポータルWebページにまとめて表示する機能を追加した。

　MetaFrameの要であるPresentation Serverも機能を強化した。新たに「SmoothRoaming」という機能を備えた。あるパソコンからMetaFrameサーバーに接続していたときの状況を、別のパソコンからMetaFrameサーバーにアクセスした際に再現できる機能である。「オフィスのパソコンで作業していた続きを、モバイル環境で再現できるといったように、ユーザーの利便性を向上できる機能だ」と、シトリックス・システムズ マーケティング本部の樋渡純一本部長は説明する。

　新製品の価格は、Presentation Serverが24万7000円から、Conferencing Managerが8万4150円から、Secure Access Managerが49万3000円から、Password Managerが30万2600円から。出荷日は、「Presentation Server」と「Conferencing Manager」が5月13日。「Secure Access Manager」と「Password Manager」は6月28日に出荷を予定している。

　シトリックス・システムズ・ジャパンは新製品群の投入を機に、今後1年でソフトウエア・ライセンス数を現行の20～30％増やすことを狙う。MetaFrameは国内で30万ライセンス以上の販売実績がある。