総務省は「電子自治体のシステム構築のあり方に関する検討会」を設置、4月27日に第1回の会合を開催した。検討会のメンバーは14人。自治体や総務省のほか、学識経験者と民間有識者で構成した。座長には東京大学大学院情報学環の須藤修教授が選ばれた。

 同検討会では当面、今年度の総務省予算で実施する情報システム開発の検討と評価を行う。具体的な項目は次の三つ。(1)複数自治体によるシステムの共同アウトソーシング(予算は10億円)、(2)国と自治体の間で行われる業務の効率化とシステム連携(2億2000万円)、(3)電子申請システムなどとレガシー・システムの連携(5億2000万円)である。

 総務省自治行政局自治政策課の牧慎太郎情報政策企画官は、「全体最適の考え方に基づいてシステムを構築してもらえる仕組みを整える」と意気込む。行動計画も具体的に描いている。「データ・モデルを検討して業務の全容や位置づけを明確にし、業務改革やシステム構築に役立てる。実際に、国と自治体をまたぐ業務を効率化できる仕組みを検討し実証する。データ項目やデータ形式をきちんと定義して、ワンストップ・サービスなどに向けたシステム連携を容易にし、データ変換のようなムダを排除する」(牧氏)と構想を語る。

 総務省は、「会議や資料は基本的にすべて公開する方針」(自治行政局の石川義憲自治政策課長)。「いろいろな意見をお持ちの方々にメンバーになってもらった。議論を活発にするためだ。議論や資料をオープンにするのは、システムの共通化や業務の標準化を目指しているのだから当然のことだ」と牧氏は説明する。

(広岡 延隆=日経コンピュータ)