1980円(税込み価格2079円)と低価格なソフトを売り物にしているソースネクストが、企業向けに力を入れる。同社の藤本浩佐取締役は、「これまで当社の顧客はほとんどがコンシューマだったが、今年6月から企業法人顧客向けのサポート体制を整え、企業顧客をどんどん増やす」と意気込む。

 藤本取締役が企業向けソフト販売に意欲を見せるのは、今年3月に出荷を始めたPDFファイル作成ソフト「いきなりPDF」の企業向けの販売に手応えを感じているからだ。「価格が魅力的なのか、企業のシステム担当者から『数百~数千の単位で購入したい』という引き合いが予想以上に多く、驚いている」(同)。

 「いきなりPDF」は、PDFファイルを作成・閲覧するための機能を備える。PDF作成ソフトの“本家”である「Acrobat 6.0 Standard」が3万4800円であるのに対し、いきなりPDFの単価は1980円とはるかに安い。「Acrobat 6.0 StandardのようなPDFファイルの修正機能は備えていないが、それを差し引いてもかなりお買い得だ」と藤本取締役は強調する。そこで、“まとめ買い”を求める企業法人顧客向けに、ボリューム・ディスカウントの料金体系を定めた。例えば1000ユーザー・ライセンスで138万6000円である。

 さらに、サン・マイクロシステムズが開発したオフィスソフト「StarSuite 7 パーソナルパック」についても同様の展開を考えている。いきなりPDFと同じく単価が1980円と安価なことから、中堅・中小企業の需要が高いと見る。このため、StarSuite 7 パーソナルパックについても、ボリューム・ディスカウントの料金を設定する。1000ユーザー・ライセンスで約155万円を想定しているという。

 藤本取締役は、「今後は、企業ユーザーが安心して当社製品を購入できるよう、企業向けサポート体制を確立したい」と語る。企業向けソフト販売の専門組織を作る計画だ。

戸川 尚樹=日経コンピュータ