「最近、『業務プロセスと関連付けて、ITサービスの利用状況を把握したい』という声を米国のシステム利用企業の担当者やビジネス・コンサルタントからよく耳にする」。こう語るのは米ヒューレット・パッカード(HP)のジョン・ピータース氏。ピータース氏は、HPソフトウエア・グローバル・ビジネス・ユニットのポートフォリオ・プランニング・ディレクタとして、OpenViewをはじめとするソフト製品の戦略立案を担当している。

 ピータース氏は、米国で『業務とITを結び付けたい』といった要望を多く聞く理由を、「企業のCIO(最高情報責任者)が業務に対してITがビジネスに与えるインパクトを把握しかねているからだろう」と分析する。「この要望に応えるようなソフト製品やコンサルティング・サービスが複数登場して、一つの市場を形成するようになるのは米国でもこれからだ」。

 米HPは今年6月にも、同社のシステム運用管理ソフト群「HP OpenView」の新製品として、「Business Process Insight」を出荷する。この製品は、業務と利用システムを関連付けて、業務プロセスの観点から、システムを管理するもの。

 Business Process Insightは、障害発生時に業務を通常通り復旧するための支援をする。業務が滞った場合、その業務に関連するシステムの資産情報、監視情報を表示する。業務部門の担当者にシステム部門の担当者とのやり取りの経緯、運用部門の原因究明の状況といった情報も示すことが可能だ。「滞った業務をドリルダウンし、関連するITを突き止める。これによりITが業務に与えるインパクトを把握できる」(ピータース氏)。

 Business Process Insightの日本市場の投入時期は未定。

西村 崇=日経コンピュータ