情報処理推進機構(IPA)は、ソフトウエア開発プロセスの能力の成熟度を示すためのモデルである「CMMI(Capabillity Maturity Model Integration、能力成熟度モデル統合)」の日本語訳を既報通り4月1日に公開した。CMMIを開発したカーネギー大学ソフトウェア・エンジニアリング研究所(CMU/SEI)の認定を受けた公式日本語訳になる。IPAのWebサイトから日本語訳のPDFファイルを無償でダウンロードできる。

 CMMIは、企業がソフトウエア/システム開発のプロセスを改革するためのいわば“通信簿”に当たるもの。自社の開発プロセスの実態と「次に何をすべきか」を知る指標になる。

 CMMIの元になったのが、CMM(能力成熟度モデル)というモデル。ソフトウエア開発を行うための組織機構の成熟度レベルを5段階に分けて評価するものである。CMMからは、ソフトウエア調達の成熟度、統合製品開発の成熟度といったさまざまな成熟度レベルを評価するモデルが派生した。CMMIはこれらの派生モデルを統合したものである。

 IPAは2003年9月にCMU/SEIと翻訳権に関する契約を結んだ。翻訳作業は日本SPIコンソーシアム(JASPIC)が担当した。CMMIの公式翻訳版が公開されるのは世界初だという。

大森 敏行=日経コンピュータ