「これまでERPパッケージ(統合業務パッケージ)の導入コストにばかり焦点が当たってきたが、これからはTCOに注目すべきだ。ERPパッケージは企業に定着してきた。これからは、機能の追加やアップグレードが簡単にできるかどうかが重要になる」。こう指摘するのは、ERPパッケージ「IFS Applications」を開発・販売するスウェーデンのIFSのベント・ニルソン副会長(写真)。

 ニルソン副会長は、「当社のIFS Applicationsは、主にJavaで開発した5000を超えるコンポーネントで構成しており、機能追加やアップグレードが容易だ。SAPやオラクルのERPと比べて、導入後の運用管理を含めたTCOを削減できるはず」と売り込む。

 例えば、クライアント側のインタフェースを変更する場合は、画面表示のコンポーネントだけを入れ替えるだけでよい、という。「コンポーネントのソース・コードを公開しており、一部分を書き替えて、カスタマイズすることもできる」(ニルソン副会長)。

 IFSは現在、年間3億5000万ドルの売り上げがあり、製造業のほか、電力会社、ガス会社といったエネルギー産業、鉄道産業、航空産業などに向けて販売している。「アジア地区の売り上げは10%弱を占めている。

 同社は3月29日、NECとの協業強化を発表し、中国やアジアに進出した日系企業のサポート強化策を打ち出した。「NECとの協業を強化することで、2~3年後には25%程度に延ばしたい」(ニルソン副会長)と期待を語った。

(坂口 裕一=日経コンピュータ)