セキュリティ関連ベンダーのインターネット セキュリティ システムズ(ISS)は、ファイアウォール、VPN(実質的な専用線網)、侵入検知システム(IDS)、ウイルス対策の4種類の機能を組み込んだセキュリティ機器「Proventia M30」の出荷を始めた。

 Proventia M30では、設定画面からシステム管理者が利用したい機能をチェックするだけでそれぞれの機能を自由に組み合わせて利用できる。IDSやウイルス対策で必要になる定義ファイルの自動更新も可能だ。「ファイアウォールやウイルス対策など複数のセキュリティ製品を個別に設置するのに比べて効率よく管理できる」と、ISSの松崎義雄マーケティング・ビジネスディベロップメント統括部長は説明する。定義ファイルは、ISS米国法人の専門組織「X-Force」がインターネット経由で提供する。スループットは200Mビット/秒で、「ファイアウォールやIDS、ウイルス対策と複数の機能を使っても、それほど性能は低下しない」(松崎統括部長)という。

 M30は、今年2月に出荷した「Proventia M50」に続く製品。M50は、最大で2500ユーザーが接続できる大企業向けの製品。一方、M30は最大500ユーザーで中堅中小企業や大企業の部門向けである。「中堅中小企業や大企業の部門で導入しやすくするため、製品価格を55万円からと、他社の同程度の性能を備える製品と比べて半分程度に抑えた」(松崎統括部長)。

 ただし、本体を購入しただけでは、ファイアウォール以外の機能は一時的にしか使えない。ソフトウエア的にはすべてが搭載されてはいるものの、本格的に利用するには、別途ライセンス・キーを購入する必要がある。「今夏には、Webサイトの閲覧を制限するURLフィルタリングやスパム・メールをブロックする機能を提供できるようにする予定だ」と、松崎統括部長と見通しを語る。

西村 崇=日経コンピュータ