UFJつばさ証券は、現在構築を進めている新基幹系システム「STAR-PEGASUS」にビトリア・テクノロジーのEAIツール「Vitria:BusinessWare」を導入することを決めた。注文を受け付けるフロントオフィス系システムと決済を処理するバックオフィス系システムをBusinessWareで連携させ、注文から決済までの処理をリアルタイムでこなす「STP」を実現するのが狙い。今年末の稼働を目指す。

 新基幹系システムのSTAR-PEGASUSは、リテール(個人向け取引)とホールセール(法人向け取引)といった大きく二つの業務を支援する。このうち、ひとまずホールセールの部分にBusinessWareを適用。自社開発するフロントオフィス系システムと、野村総合研究所の証券業務パッケージ「I-STAR」を使ったバックオフィス系システムを、BusinessWareでつなぐ。

 BusinessWareは、業務プロセスを可視化して一元管理するビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)機能に強みを持つEAIツール。「複雑な業務のシステム化を効率的に行える」(米ビトリア・テクノロジーのデール・スキーン最高技術責任者)のが特徴である。

 UFJつばさ証券はBusinessWareの導入に際して、アクセンチュアが金融機関向けに提供する「STP インテグレーション・プラットフォーム」(STP IP)を採用する。STP IPは、アクセンチュアがBusinessWareにSTPを実現する機能を付加した製品だ。UFJつばさ証券の原田由紀雄 執行役員システム事務グループグループ長は、「STP化に必要な機能をあらかじめ備えていたのが魅力だった」と話す。

 規制緩和で競争が激化している証券業界では、バックオフィス業務の効率化を目指した業務改革やシステム刷新が急務になっている。2002年6月に六つの証券会社が統合して誕生したUFJつばさ証券は今回の基幹系システム再構築で、6社のシステムの一本化とSTPの実現による業務の効率化を同時に実現する。

大和田 尚孝=日経コンピュータ