ライブドアの堀江貴文
社長兼CEO(左)と
ターボリナックスの
矢野広一社長兼COO(右)

 ライブドアがターボリナックスを買収するという前日の発表を受け、両社は3月16日に記者説明会を開催した。この場でライブドアの堀江貴文 代表取締役社長 兼 最高経営責任者は「寡占状態にある現在のOS市場にチャレンジしていく」と決意を語った。従来製品であるLindowsOSに加え、日本での実績を持つTurbolinuxを得たことで、米マイクロソフトのWindowsが持つシェアの一層の切り崩しを狙う。なお、LindowsOSとTurbolinuxはあくまで別の製品であり、今のところ統合は考えていないという。

 今回の買収により、ライブドアはこれまで持っていなかった企業向けLinux製品、すなわちサーバー向けLinuxやアプライアンス向けLinuxが手に入る。また、ターボリナックスがサーバー向けLinuxで65%(IDC Chinaによる)と高いシェアを持つ中国市場に参入できるというメリットもある。ターボリナックスにとっては、開発リソース不足をライブドアの資金で補ったり、ライブドアの販売力を利用できるというメリットがある。

 ライブドアは今回、OSの世界シェアの目標も明らかにした。2006年末までにサーバーOSで20%、クライアントOSで10%のシェアを目指すという。

 買収のきっかけは「(両社が)もともと同じビルの4階と5階にあった」(堀江氏)ことだという。Linux事業を拡大したいライブドアは、昨年末当たりからターボリナックスの親会社であるSRAに、買収/提携を含め話し合いを行っていた。株式交換による買収という形が最終的に決まったのはつい半月ほど前だという。

大森 敏行=日経コンピュータ