グループウエアの開発・販売を手がけるサイボウズは3月5日、2004年1月期の決算を発表した。連結の業績は、売上高が過去最高の26億6000万円(前年同期比18.5%増)、営業利益が4億7100万円(同19.4%増)、当期利益が2億6000万円(同70.7%増)の増収増益となった。増収増益の原動力となったのは、昨年7月に出荷を開始した、中小規模向けグループウエアの「Office 6」。既存製品ユーザーの47%がバージョンアップし、売り上げに貢献した。

 好調な業績のなかで高須賀亘社長が「予想外の不調」だったともらすのが、大規模向けグループウエア「サイボウズ ガルーン」の販売と米国向けグループウエア「Share360」だ。ガルーンは新規獲得案件数が期初予想の562件を下回る440件にとどまった。原因は販売パートナ経由の販売モデルだ。「販売パートナにとって利益が少なかった」(高須賀社長)。次期製品ではこれを改善する。「カスタマイズや他社製品と組み合わせることが容易な製品にし、システム構築時に販売パートナが担ぎやすいようにする」(高須賀社長)。

 「Share360」については、ネット広告などを積極的に活用して知名度の向上に努める。海外展開は今後も継続する予定だ。「ドイツ、フランス、イギリスにも展開したい。次期製品は外国語対応も同時に進めるため、展開する国を増やすことは開発費増にはつながらない」(高須賀社長)という。

 次期グループウエア製品は中小規模向けの「Office」シリーズ、「ガルーン」シリーズともに2005年になる見通しだ。同社は二つのグループウエア製品をほぼ毎年バージョンアップしているが、2004年はバージョンアップを見送る。「2シリーズとも大きく内容を見直す」(高須賀社長)ことが、見送りの理由である。

(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)