KDDIは3月5日、同社の国際携帯電話ローミング・サービス「グローバルパスポート」で料金請求に誤りがあったことを発表した。グローバルパスポートは、日本国内で契約した携帯電話機や電話番号を北米、アジアを中心とする海外でもそのまま使えるようにするサービスである。誤請求が発生した対象利用者は3616契約分、誤請求の総額は1467万円に達する。

 同社が誤って課金したのは、グローバルパスポートを使ったタイからの通話のうち、日本時間の2003年8月18日午後2時から2004年1月14日午前3時までに通話を開始した国際通話の一部。「日本を含む特定の国への通話に対する課金に誤りがあった。タイ国内での通話については影響がなかった」(KDDI)。

 タイにおけるグローバルパスポートは、タイの通信会社CAT(旧 タイ通信公社)と協力して提供している。KDDIは利用者に対する請求を、CATから送られてきた通話先や通話時間などの通話データをもとに計算している。

 このCATのデータ自体に誤りがあったことが、誤請求を招いた。今回の問題に該当する通話データでは、通話時間を実際の通話より長く記録していた。「CATと提携してグローバルパスポートを始めたのは2003年8月。サービス開始当初から通話データが間違っていたことになる」(KDDI)。

 誤請求の対象となった利用者には3月8日から順次、請求月ごとの誤った料金と正しい料金、返金額を記載した手紙を発送する。「過剰に徴収した金額については、4月に請求する利用料から差し引く」(同)としている。

鈴木 孝知=日経コンピュータ