「まず、皆様にお詫びを申しあげたい」。ソフトバンクBBの孫正義社長兼CEO(最高経営責任者)は2月27日、Yahoo!BBの会員情報漏洩問題について深々と頭を下げた(写真)。ADSLサービス「Yahoo!BB」の会員情報漏洩について、孫社長自らが会見に出てきたのは今回が初めて。同社はこの問題について2度の会見を実施したが、孫社長は海外出張中で出席していなかった。

 孫社長は、今回の問題で451万7039人分のYahoo!BB会員情報が漏洩していたことを認めた。情報漏洩の対象になったのには現会員だけでなく、加入手続き中の申し込み者、解約者なども含まれている。

 ソフトバンクBBは、警察から受け取った個人情報を同社の顧客データベースと照合していた。「この照合作業が完了して人数が判明したのは2月27日の未明」(同)としている。

 確認された個人情報の内訳は、現在の加入者が240万3617人、加入手続き中の申込者が9834人、無料体験キャンペーン申込者が147万3774人、解約者が62万9814人となっている。漏洩した個人情報の内容は六つ。氏名、電話番号、申し込み住所、契約申し込み時の電子メール・アドレス、Yahoo!ID(Yahoo!メールのアドレス)、申し込み日である。

 孫社長は、「流出経路などいまだに調査中」と語る。また同社のシステムから情報を取り出した方法や作業内容などについては、「捜査に影響があるためコメントできない」(孫社長)として明らかにしない。

 同社は、情報が漏洩したかどうかに関わらずYahoo!BBの会員全員に500円相当の金券などを送付する。また加入手続き中の申し込み者、無料体験キャンペーン申し込み者、解約者であっても情報漏洩の対象になったことが確認できれば、同じく500円相当の金券などを送付する。漏洩したかどうかは同社のWebサイトにて確認できる。孫社長は、「この対応に必要な金額は郵送費なども含め総額で40億円相当になる」という。金券送付の手続きを受け付けるのは3月9日午前9時から。

(鈴木 孝知=日経コンピュータ)