千葉県の地方銀行である千葉興業銀行は、NTTデータが手がける地銀向け共同システム「地銀共同センター」への参加を延期する。今年5月の移行を予定していたが、今年10月に遅らせる。NTTデータの要請を受けて決断した。

 千葉興銀は延期の理由について、「移行準備に万全を期すため」(経営企画部)と説明する。千葉興銀は地銀共同センターへの参加行としては、今年1月に利用を始めた京都銀行に続き2番手。ただ地銀共同センターが稼働した状態での移行は、千葉興銀が初めて。それだけに、NTTデータが「地銀共同センターが稼働した状態での移行テストを十分に実施させてほしい」と千葉興銀に要請したものと見られる。

 稼働延期について、ある関係者は「参加2行目の移行には入念な準備が必要というのは、事前にわかっていたこと」と、地銀共同センターの移行計画そのものに無理があったことを指摘する。

 地銀のシステム共同化や再構築を巡っては、富士通のPROBANKでも参加第1号の東邦銀行(福島県)が稼働時期を昨年1月から昨年9月に延期した影響で、後続行も稼働時期を先延ばしする事態が起こっている。NTTデータの地銀共同センターは合計10地銀が参加を表明しているだけに、後続行への影響が懸念される。

 日経コンピュータの取材によれば、千葉興銀の稼働時期は10月9日土曜日からの3連休になると見られる。

大和田 尚孝=日経コンピュータ