富士通は2月18日、Webサイトのアクセシビリティ向上を支援するツール群「Fujitsu Accessibility Assistance」を同社のWebサイト上で公開した。Webページが視覚障害者や色弱者にも利用しやすく作られているかなどを診断するツールで、無償でダウンロードできる。電子商取引サイトや自治体など、広範囲のユーザーにサービスを提供する企業/組織にとっては重要なツールである。

 Accessibility Assistanceは三つのツールからなる。視覚障害者などがWebページを閲覧したときに起こり得る問題点を検出する「WebInspector3.0(ウェブインスペクター)」、文字や画像の色合いが色弱者に同見えているかをシミュレーション表示する「ColorDoctor1.0(カラードクター)」、プレビュー画面上で背景色や文字色を変えて見やすい色の組み合わせを探せる「ColorSelector3.0(カラーセレクター)」である。

 同社は2003年7月にWebInspector2.0を公開したが、今回、これを機能強化した。強化点は二つ。Webページのレイアウトを定義するカスケーディング・スタイル・シート(CSS)に対応した点と、ユーザーが音声ブラウザを利用する場合に生じる問題を見つけられるようにした点である。2.0では診断対象はHTMLだけで、CSSで定義された背景色や文字色まで含めた診断はできなかった。また、音声ブラウザは、2004/2/18といった日付け、「\」や「$」といった記号があると正しく読み上げられない場合が多いが、こうした点はチェックできなかった。

 ColorDoctorとColorSelectorは、Webページだけでなく、PowerPointを使ったプレゼンテーション画面などにも適用できる。ColorDoctorは、ストリーミング画像やFlashを使ったアニメーションの色合いも確認できる。

 ソフトウエアの動作条件は、WebInspectorとColorSelectorが、Windows98/Me/NT4.0/2000/XPとMac OS X。ColorDoctorはWindowsXPのみ。ダウンロード・サイトのURLはhttp://design.fujitsu.com/jp/universal/assistance/

日経コンピュータ=河井 保博