東京都荒川区は2004年秋をメドに、住基カードに決済機能を持たせる。プリペイド型の電子マネー「Edy」ように、カードをかざすだけで支払いができるようになる。住基カードに決済機能を持たせるのは、荒川区が初めて。カードを利用できる場所は、荒川区内にある「あらかわ遊園」。入園料や園内の乗り物利用料金、飲食代金の支払いに利用できる。

 荒川区では、あらかわ遊園での利用状況をみて、利用できる施設を順次増やしていく考えだ。荒川区政策経営部の菊池俊夫IT推進課長は、「区が運営するスポーツセンターの利用料金や、荒川区内を走るコミュニティバスの支払いもできるようにして、区民の利便性を向上させたい」と語る。荒川区では、都電荒川線でも利用できるようにすることを都に働きかけている。

 すでに荒川区の住基カードを持っている人は、再発行の必要はない。現在の住基カードを荒川区役所に持ち込めば、決済機能を追加してもらうことができる。システム構築はNTTコミュニケーションズが担当する。荒川区の人口は約18万人。住基カードの発行枚数は2004年2月時点で約1200枚である。

(松浦 龍夫=日経コンピュータ)

6月28日追記:本記事3段落目の「システム構築はNTTコミュニケーションズが担当する」という部分に対し、荒川区役所から「システム構築の担当企業は選定中で、8月中旬に決定する。NTTコミュニケーションズは現時点(6月28日現在)では候補企業の1社にすぎない」との申し入れがありました。(日経コンピュータ)