JR東日本は3月22日から、ICカード乗車券「Suica」を使った電子マネーを本格展開する。昨年11月から自社のクレジットカード「ビュー・スイカ」の会員を対象に電子マネーの試験サービスを展開してきた(関連記事)が、今後は、クレジットカード機能を持たないSuicaでも駅構内の店舗で買い物ができる。

 3月22日の時点で電子マネーを利用できるのは、関東地方と仙台市周辺の64駅の構内にあるコンビニエンス・ストア、レストランなど196店舗。今夏をめどに206駅536店舗へと増やす。コンビニエンス・ストア「NEWDAYS」などは、この時点で関東エリアの全店を電子マネー対応とする。その後1年程度をかけて、約1000店舗とする予定だ。

 JR東日本は電子マネーの利便性をてこに、駅前ならぬ“エキナカ”の売り上げを伸ばしたい考え。同社は「駅スペース活用事業」の名称で、駅構内に系列のレストラン、コンビニエンス・ストアなどを積極展開している。同事業の売り上げは2002年度で3689億円に達しており、毎年数十億円ずつ伸び続けている。

 従来のSuicaから電子マネー対応版への切り替えは、3月20日から各駅で受け付ける。なお、同社はこれまで「Suica電子マネー」の呼び名を使ってきたが、今回から乗車券と共通の「Suica」に統一した。

本間 純=日経コンピュータ