「クライアント・パソコンのハードウエアやソフトウエアの構成管理、リモート・コントロール(遠隔操作)、ソフト配布、詳細レポートなど、クライアント管理に必要な機能をすべて揃えて、この価格」。ネットワーク応用通信研究所の生越昌己取締役は2月5日、千葉市・幕張メッセで開催されている「NET&COM 2004」でクライアント管理ソフトの新製品「NetHelper 4.0 日本語版」を発表し、競合製品に対する優位性を、こうアピールした。

管理コンソール画面
リモート・コントロールの様子
赤枠は説明のために加えた
管理コンソール画面
クライアントの
ハードウエア構成を表示している

 NetHelperの価格は、クライアントにインストールするソフトウエアが1台あたり1万8000円、クライアントを管理するためのサーバー・ソフトウエアが1台あたり20万円、管理用コンソール・ソフトウエアが1台あたり10万円である。1クライアントで1万8000円は決して安くはないが、実はNetHelperの保守料金は無料だ。競合製品のほとんどは、保守料金を設定している。「保守料金がライセンス料の30%も取っているベンダーもある。それを考えればいかに安いかが分かってもらえると思う」(生越取締役)。

 もう一つの特徴が、リモート復旧機能だ。NetHelperは、アプリケーションのインストール時やファイルを削除したときにスナップショットを自動で取っている。クライアント・パソコンに何か不具合が起これば、ファイル管理者が遠隔操作で不具合が起きる前の状態に戻すことができる。レジストリだけでなくファイルも、スナップショットを取った時点の状態に復旧できる。リモート復旧機能を使わない場合は、1クライアントあたりの価格は9000円になる。

 リモート・コントロール機能は、Windows XPであれば標準で備えているが、NetHelperはWindows 98/Me/2000でも稼働し、これらをリモート・コントロールすることができる。「NetHelperの方が復旧するまでの時間も短いし、Windows XPにようにクライアント・パソコンを遠隔で操作するための設定も必要ない」(生越取締役)。

 そのほか「不具合を起こしかねないソフトウエアや,業務に必要ないソフトウエアなどを指定して,実行をを禁止する機能なども備えている」(生越取締役)。

 NetHelperは韓国のIZEXが開発したソフト。クライアントはWindows 98/Me/2000/XP,サーバーはWindows 2000/XPで稼働する。韓国では11万クライアントの実績があるという。国内での販売開始は2月5日から。ネットワーク応用通信研究所は、2004年度で30億円の売り上げを目指す。

松浦 龍夫=日経コンピュータ