千葉市・幕張メッセで2月4日から開催されている「NET&COM 2004」で、セキュリティ製品ベンダー各社がスパム・メール対策製品を出展した。各製品とも、これまでのスパム・メール対策の中心であるメール・フィルタリング機能に加え、スパム・メールであるかどうかをポイント制で自動判定する機能を持つ。

 自動判定の仕組みは、スパム・メールの特徴に基づき、スパム・メールである可能性を点数化する。例えば、ヘッダーを改ざんした形跡があれば5ポイントなどとし、ポイント数がしきい値を超えたものをスパム・メールだと判断する。日本ネットワークアソシエイツ(ブース番号6440、以下同じ)が出展した「McAfee SpamKiller2.0 for WebShield Appliance2.7」や、クリアスウィフト(6221)の「CS MAILsweeper アンチスパムソリューション」などは、ポイント判断のエンジンをクライアントに搭載し、基本となるポイント表をベンダー各社のサーバーから定期的に取得・更新する。

 しかし、判定ルールを定期更新する仕組みでは、短期間に大量配信されたスパム・メールへの対応が難しい。そこで、ポイント表や判定エンジンをサーバー側で集中管理する製品も登場した。アイマトリックス(6123)が出展した米コムタッチ製の「アンチスパムエンタープライズゲートウェイ」だ(写真)。Exchange Server2003に組み込んで使う。

 アンチスパムエンタープライズゲートウェイは、メールを受け取ると米コムタッチが運営する「ディテクションセンター」にヘッダー情報を送信。ディテクションセンターが、そのヘッダーを分析してスパム・メールかどうか判定すると同時に、そのメールの情報をポイント表に反映させる。常に最新のスパム・メール情報が集まるので、最新の判定ルールを利用できる。半面、メールを受け取るたびにセンターに問い合わせるため、処理時間がかかる。アイマトリックスは「ハード性能にもよるが、1秒間に20通程度の処理は可能」としている。価格は1ユーザー当たり年間2000円。日本語版は2月3日から販売している。

(福田 崇男=日経コンピュータ)