国土地理院は2月2日に、同院のWebサイトから3505件の個人情報が流出したことを発表した。

 2001年から国土地理院では、全国1200カ所を超す「電子基準点」で観測したGPS(全地球測位システム)データをダウンロードできるようにしている。このデータをダウンロードするためには、勤務先や利用者名、電話番号、E-Mailアドレス、ダウンロードしたデータの利用目的をあらかじめ入力する必要がある。これら5項目のデータが、外部から第三者が閲覧できる状態にあった。

 国土地理院によれば、個人情報を収集していたのは、「利用者層の調査と、電子基準点データに関するさまざまなお知らせを迅速に伝えることができるようにすることが目的だった」という。

 閲覧できる状態にあったのは、2003年5月から10月にかけて、電子基準点データをダウンロードするために入力した個人情報である。国土地理院では、情報流出などが起きないように努力していたというが、「担当者の単純なミスでファイルの設定に不備があり、外部から閲覧できる状態になっていた」(国土地理院)。

 1月26日に、電子基準点データをダウンロードしている教育関係者から、「外部から情報が閲覧できるようだ」との指摘があり、情報が流出していたことが判明。これを受けて、国土地理院では26日のうちに、外部からファイルを閲覧できないようにするといった対策を講じた。

 今回の問題について国土地理院では、「多くの皆さんに迷惑をおかけして申し訳ない。今後は、電子基準点データをダウンロードしようとする人から個人情報収集の中止を含めて対策を考えたい」と話す。

(中村 建助=日経コンピュータ)