IDC Japanは1月16日、2004年の国内IT市場規模は12兆1767億円で、前年に比べ2.2%伸びるという予測結果を発表した。2001年から2003年まで3年連続で市場が縮小してきたが、今年は増加に転じると見た。

 国内IT市場は2001年に前年比マイナス1.4%と減少に転じ、2002年はマイナス2.9%、2003年がマイナス2.4%と3年間縮小し続けた。「国内企業の業績不振、IT投資効果の見直しなどの影響を受けた」(リサーチバイスプレジデント/シニアITアナリストの佐伯純一氏)。製品別にみても、2003年はUNIXサーバー市場が予想以上に落ち込んだり、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)やCRM(顧客関係管理)ソフトなどが思ったほど伸びなかった、というように下方修正したものがあった。

 しかし、2004年は企業の業績が回復し、IT投資も増加すると見込む。産業分野別にみると、「通信業のIT市場が前年比で約4%と最も伸びる」(ITスペンディングリサーチマネージャーの塚本卓郎氏)と予測した。2003年はマイナス成長だった小売業、金融業、組み立て型製造業、政府・自治体向けIT市場も増加に転じるとみる。

 ただし、IT製品の価格は低下し続けており、「ベンダーがビジネスモデルを変えなければ、IT産業は利益率が低く成長が困難な産業になる可能性がある」(佐伯氏)という。

(安保 秀雄=日経コンピュータ)