オムロンは1月13日、ラックマウント型の無停電電源装置(UPS)の新製品「BN150XR」、「BN240XR」を出荷する。両製品の特徴は、いわゆる「デュプレックス構成」を実現したこと。パソコン・サーバー1台に150XRもしくはBN240XRを2台接続しておき、メインのUPSに異常が発生すると自動的にサブのUPSに切り替えることができる。「冗長構成にしたときに自動切り替えできるUPSはおそらく業界初」(オムロン事業開発本部 周辺機器事業部 企画開発課の関健彦主事)。

 これまでのUPSは冗長構成になっていても、メインのUPSに異常が発生したときに、自動的にサブのUPSに切り替わらなかった。そのため、「『メインのUPSに異常したが、サブは正常』といった場合のようにサブのUPSから電源を取れる状況でも、管理用ソフトがサーバーを自動的にシャットダウンしていた」(関主事)。

 オムロンは今回、専用のUPS管理用サーバー・ソフト「PowerAct Pro」を新たに開発して、自動切り替えができるようにした。「高い信頼性が求められるサーバー・システムの電源として安心して利用できる」と関主事は話す。

 PowerAct Proは、BN150XRやBN240XRから電源を受けるサーバーにインストールして使う。切り替えなどの制御は、サーバーと2台のUPSを接続したRS-232CケーブルかUSBケーブルを介して行う。PowerAct Proにはこのほか、サーバーを自動的に起動/停止させたり、リモート監視する機能を備える。

 新製品のBN150XRは電源容量が1.5kVAで、きょう体の厚さは1U(約44.45mm)。オムロンによれば、1.5kVAの容量で厚さが1Uの製品は業界初という。これまでも1UサイズのUPSは市販されていたが最高容量は750VAだった。2UサイズのBN240XRは2.4kVAの容量を備える。いずれの製品にもPowerAct Proが標準で付く。価格は150XRが17万8000円、240XRが29万8000円。

西村 崇=日経コンピュータ