「オープンソースのデータベース・ソフトが当社製品に追いつくことは無理」。米オラクルで、ラリー・エリソンCEO直属のエグゼクティブ・バイスプレジデントであり、サーバー製品の戦略と開発を担当するチャールズ・ロズワット氏はこう断言する。「オラクルが支持をしているLinuxだって、昔はエンタープライズ規模では使えなかった。オープンソースのデータベース・ソフトが将来オラクルの牙城を脅かすことはないのか」、という質問に対する反論だ。

 ロズワット氏は「一般的に言って、オープンソースのよい点は多くの人が開発に参加することで、より堅牢で機能が充実したソフトになることだ。Linuxはそれで成功した。しかし、データベース・ソフトには当てはまらない」と主張する。

 「Linuxがエンタープライズ規模まで成長できたのは、米IBM、NEC、日立製作所、米ヒューレット・パッカード、富士通、当社といった大手ベンダーの人材が開発に携わってきたから。それだけの人数がデータベース・ソフトの開発やテストに携わる可能性は低い。データベース・ソフトの開発に必要なだけの時間とコストをかけることはできない」という。

 オープンソースのデータベース・ソフトだけでなく、他社製ソフトに対しても自信を見せる。「最も分かりやすい例を挙げれば、128プロセサでクラスタ環境を実現できる技術を持っているのは当社だけ。さらに、最も高速なデータベースをシンプルに管理できるようにした。アプリケーション・サーバーもアイデンティティ管理などの機能を強化した」(同氏)。

(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)