組み込みソフト開発の大規模化に対する解答は? ICタグ標準化のキャスティング・ボートを握るのは? 2003年12月11日、展示会「TRONSHOW2004」の講演会にはキーバーソンが次々に登壇し、詰め掛けた聴衆に熱弁を振るった。初物ぞろいの展示会の様子を交えて、4本のフォト・レポートをお届けする(記事2記事3記事4)。TRONSHOWは東京・有楽町の東京国際フォーラムで、12月13日(土)まで開催されている。


写真1●米マイクロソフトの古川享副社長は11日の講演で、TRONの組み込み機器開発用プラットフォーム「T-Engine」上で動作するWindows CEを披露した。2003年9月25日に、東京大学の坂村健教授が率いる「T-Engineフォーラム」と米マイクロソフトが開発を表明していたもの。画面の上4分の3でWindows CEとWindows Media Playerが、画面の下4分の1ではITRONベースのOSであるT-Kernelでカラフルなドットが飛び回るアニメーション・ソフトが動作している。T-Engineに対応したWindowsCEは開発ツールが2004年前半、搭載機器が2005年初頭に出荷される見込み


写真2●Widows CE+T-Kernelの利用イメージ。例えばデジタル・ビデオカメラでは、モーターの制御など高いリアルタイム性が要求される部分にT-Kernelを、使い勝手が要求される操作画面などにWindows CEを使う


写真3●9月の発表後、「マイクロソフトと歴史的和解」、「Linuxに対抗」など新聞報道されたことに、坂村氏はひどく憤慨している様子。「そもそも戦ってないのに和解も何もない。マイクロソフトからのストックオプション? もらってませんっ!」(坂村氏)


写真4●組み込みLinuxの開発を手掛ける米モンタビスタ ソフトウエアのジム・レディ社長。T-Engineフォーラムは、2004年の中ごろをめどにT-Kernel上で動作するLinux「T-Linux」を開発中。モンタビスタは、T-Linuxワーキング・グループを主導している。なお、サン・マイクロシステムズも今回の展示会に合わせて、T-Kernel上で動作するJava(Java 2 Micro Edition CDC/Foundation profile)を発表している


写真5●モンタビスタのレディ社長が示した日本の組み込みOS市場シェア。ITRONが38.6%、Linuxが10.9%で、両者を合わせるとほぼ半分を占める。Windows CEは2.8%に過ぎない

(本間 純=日経コンピュータ)

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