富士通は12月から、アウトソーシング・サービスのメニューを強化する。サーバーやストレージなどの必要なコンピュータ資源を、ユーザー企業の要求に応じて“量”を調節しながら提供する、「オンデマンドアウトソーシングサービス」を開始する。

 このサービスを利用するユーザー企業は、使用するコンピュータ資源を日単位、時間単位で増減させることができる。従来までは月単位が基本だった。ユーザー企業はアウトソーシングの契約料金を節約しつつ、変動するシステム負荷に柔軟に対処できるようになる。

 料金は、サービス内容とその件数を掛け合わせた「ポイント」に応じて設定する。ユーザー管理、ジョブ管理、パッチ適用作業、トラブル対処など各サービス項目の重み(例えば1~8など数字をあてがう)と作業量(例えば月間10件など)を掛け合わせてポイントを算出。その合計値に応じて料金を決める。

 まず、すでに富士通がアウトソーシング契約している約800社のユーザー企業を中心に、オンデマンド型の契約に切り替えていく。すでに先行して商談を進めている事例もあり、富士通の太田幸一経営執行役常務インフラ・運用サービスビジネス担当は、「顧客からの反響は非常によい」と満足げだ。

 富士通の石田一雄アウトソーシング事業本部長は、「いつになるかは分からないが、最終的にはすべての顧客とのアウトソーシング契約はオンデマンド型に切り替わるだろう」と見る。

 石田本部長は、「オンデマンド型のアウトソーシング・サービス形態が広まるにつれ、サーバー、ストレージ、ミドルウエア、ネットワークという要素をすべて持つ富士通の特徴が強みとして生きてくる」と語る。

(高下 義弘=日経コンピュータ)