システム・インテグレータのアイザックは12月1日、Webを利用する勤怠管理パッケージ・ソフト「おまかせ勤怠」の出荷を開始した。Web言語「Curl」を採用しているのが最大の特徴で、Webブラウザだけを使う場合よりもアプリケーションの使い勝手を向上させた。Curlを採用したパッケージ・ソフトは、国内初とみられる。

 Curlは、米国防総省や米マサチューセッツ工科大学による共同研究から生まれたWeb向け開発言語。Webアプリケーションの構築に必要な様々なソフト開発を一つの言語で可能にすることや、クライアント側で処理の多くを実行する「リッチ・クライアント」を実現しやすい点が特徴である(関連記事)。Curlの実行環境はWebブラウザへのプラグインの形をとる。

 おまかせ勤怠は、Curlのリッチ・クライアント機能を生かす形で実現した。(1)出退勤時刻の管理、(2)年休や代休などの申請、(3)上司や人事部による承認、(4)フレックス勤務やシフト勤務への対応といった一連の勤怠管理業務を、Webブラウザ上でのマウス・クリック操作で実行できる。勤務表の上にマウス・カーソルを持っていくと、カーソルが合った入力対象欄に色を付けるなど、使い勝手を向上する工夫も凝らしている。

 アイザックがCurlを採用したのは、HTMLなど従来のWeb技術だけでは、操作性の高い業務用Webアプリケーションを構築しにくいと判断したため。「CurlとマクロメディアのFlashを検討するため、Curlの開発チームとFlashの開発チームを作り、並行して作業を進めた。その結果、Curlの開発チームのほうが大幅に作業のペースが早かったので、今回はCurlを採用した」(吉田守 関西支社営業企画部課長)。

 価格は50万円から(100ユーザーまで)。ここにはCurlの実行ライセンス価格も含まれる。サーバー側の標準利用環境はLinux、Apache、Tomcat、PostgreSQL、クライアント側はWindows、Internet Explorer。アイザックのWebサイトから、おまかせ勤怠の体験版を利用できる。

田中 淳=日経コンピュータ