楽天がポップアップ広告の廃止に向けて積極的に動き始めた。同社は11月25日、Webページ作成スペース提供サービス「COOL ONLINE」のユーザーに対して、ポップアップ広告の廃止を検討していることを通知した。代替案として、広告をWebサイトの上部に埋め込むか、上部フレームで表示する形を選択可能にする案を提示している。ポップアップ広告を存続するかどうかを判断するため、同日、同サービスのユーザーに対してアンケートを開始した。アンケート期間は12月1日まで。

 COOL ONLINEなどのWebページ作成スペース提供サービスの多くは、ユーザーのサイト上に広告を表示して、広告主から収益を得ている。ところが、ポップアップ形式での広告配信は難しくなりつつあるのが現状だ。

 楽天は「世界的にポップアップ広告をやめようという動きが強くなっている」(広報)と説明する。今年8月、検索エンジン大手のグーグルがブラウザ組み込み型のツールバーの新版に、ポップアップの起動を防止する機能を追加。11月には米マイクロソフトがWebブラウザの次期バージョン「Internet Explorer 6.05」でポップアップをブロックする機能を追加することが明らかになった(関連記事)。同じく11月には米ヤフーが同社のツールバーに、同様の機能を追加している。

 楽天はすでに10月21日、同社が提供するもう一つのWebページ作成スペース提供サービス「isweb」で、ポップアップ広告を取りやめている。この際も、ユーザーに対して同様のアンケートを行った。「iswebの場合、ポップアップ広告を望んでいないユーザーが多いことが分かったので廃止した」(広報)。

(広岡 延隆=日経コンピュータ)