インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)最大手のニフティは、日経コンピュータが既報した通り米シックス・アパートと提携し、12月2日からブログ(Blog)のホスティング・サービスを開始すると発表した。サービス名称は「ココログ」。当初はISP会員を対象に無料で提供する。

 ニフティの古河建純社長(写真右)は記者会見で「ブログはWWWが大幅に進化したもので、インターネットに大きなインパクトをもたらすだろう。インターネットの利用形態を変え、新しいビジネス・モデルを確立するものだと考えている」と語った。

 「ココログ」というサービス名称には、「心と心をつなぐウェブログ」という意味が込められているという。ココログがどれだけの収益をニフティにもたらすかや、ユーザー数の獲得目標については「数値はまだ見えないが、私はブレイクすると思っている。これまでのサービスとは桁が違う」(古河社長)と期待を寄せるにとどまった。

 ニフティは、提携したシックス・アパートから、ブログ・ツール「MovableType」やホスティング・サービス「TypePad」の技術、ノウハウの提供を受け、ココログを始める。「シックス・アパートのツールに、日本の携帯電話すべてからブログを更新できるようにする機能など、日本独自の機能を追加する」(古河社長)。

 記者会見には、シックス・アパートのミナ・トロットCEO(最高経営責任者、写真中央)が夫でもあるベン・トロットCTO(最高技術責任者、同左)とともに同席。「2年前にお客様用の寝室で、MovableTypeの前身となる個人向けコンテンツ管理システムを開発していた時は、まさかこうした形で日本に来れるとは思っていなかった。ニフティが私どものウェブログを真に理解してプラットフォームとして採用してくれたことに感謝する」と語った。

 また今後の日本市場での展開についてトロットCEOは、12月末までに日本法人を設立することを明らかにした。「最初はニフティのサポートが主な業務になるが、今後はニフティだけでなく、幅広い会社と提携関係を結んでいきたい。私たちが自分で日本向けのブログ・サービスを開始することもあり得る」と、日本での事業拡大に意欲を示した。

井上 理=日経コンピュータ