米ヒューレット・パッカード(HP)でLinux製品のマーケティングを担当するエフレイン・ロビラ ディレクタ(写真)が来日し、日経コンピュータの取材に応じた。会見の要旨は以下の通り。

――HPのLinux事業の規模はどのぐらいか。
 ここ12カ月のHP全体の売り上げは720億ドル。その内の20億ドルがLinux関連の売り上げだ。この売り上げは毎年30%伸びている。Linux導入の大型案件が続いているので、今後もこの傾向は続くだろう。

――大規模なLinux導入事例を教えて欲しい。
 最近だと、オンライン販売の米アマゾンやアニメ映画を制作する米ドリームワークスがよい例だ。アマゾンは米証券取引委員会(SEC)への申請書類を作成・保管するサーバーを、UNIXサーバーからLinuxサーバーに変えることで、年間1700万ドルものコストを削減した。ドリーム・ワークスでは、最新映画「シンドバット」を制作するにあたり、数百台のUNIXワークステーションをLinuxワークステーションにリプレースした。

――Linux事業におけるHPの強みは何か。
 旧HPのUNIXカーネルで培ってきた知識が我々にはある。Linuxカーネルのメンテナンスを担当するなど、Linuxコミュニティへ積極的に参加していることも強みだ。そして一番言いたいのは、我々がLinuxサーバーで最も高いシェアを持っていることだ。最も高いシェアを持つベンダーには最も多くの情報が集まる。UNIXで稼働していたアプリケーションをどうすればLinux上にうまく移植できるかや、Red Hat LinuxとApacheを組み合わせて使ったときに生じやすい問題の解決方法など、これらの情報を顧客に提供することで、Linuxを安心して使える環境を提供することができる。

――今後の課題は。
 HPがLinuxに積極的に取り組んでいることを、もっと顧客にアピールしていく必要がある。

(松浦 龍夫=日経コンピュータ)