写真●高樹町フランス亭が導入した
注文システムの端末となるPDA

 「注文システムを導入することで、どんな催し物をやればよいかの指標ができた」。南青山の個人経営レストラン、高樹町フランス亭のオーナーである西田博志氏はこう語る。

 フランス亭が今年7月に本格導入した注文システムでは、PDA(写真)を使って顧客の注文をとる。このとき併せて、店員が対応した客の属性を入力する。例えば、「常連客か初めての客か」、「急いでいるか普通か」などを入力できる。

 西田氏はこの機能を使い、常連客の数を集計して催し物の企画に役立てている。フランス亭ではクリスマスなどの記念日や期間限定の割引サービスなどを企画している。これまでは、こうした催し物の効果を計る基準がなかった。このシステムを導入してからは、「常連客が多い場合は催し物の集客効果が少なかったと判断し、初めての客が多ければ集客効果があったと考えている」(西田氏)。

 もちろん、厨房へ注文が確実に伝わり、会計時の計算間違いを減らす効果もあったが、「本業の企画立案に役立ったことは大きな効果」(同)という。

 同システムのアプリケーションはシステム開発のベンチャー企業オズプロジェクトが開発したもの。フランス亭はこのアプリケーションをASP形式で利用している。月額利用料は2万5000円。「人件費を考えると安いと判断した」(西田氏)。

 このほか、フランス亭は今年3月に店内に無線LANを導入し、ホットスポットとして開放している。このとき開設したブロードバンド回線を利用して、無料のIP電話を開通させることも検討している。

(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)