データ分析のコンサルティングを手がけるアイエイエフコンサルティング(IAF)が、Linuxサーバーで動作するOLAPツール「OpenOLAP(仮称)」を開発している。2004年2月末をメドに、オープンソースとして公開する。

 IAFの平井明夫マーケティング部マーケティングディレクターは、「中小規模の案件ではデータ分析のニーズがあっても、市販のOLAPツールのライセンス料だけで予算を使い果たしてしまう。OLAPツールをオープンソースとして無償提供することで、コンサルティング・ビジネスの拡大をねらう」という。

 OpenOLAPは、オープンソースのデータベース管理ソフト「PostgreSQL」に格納したデータから、設定によって一部を切り出し、同じPostgreSQL上に“キューブ”と呼ぶデータベースのサブセットを作成する。「キューブの作成はバッチ処理で行う。PostgreSQLを利用しても処理速度はさほど問題ないはず」(平井ディレクター)としている。

 ユーザーは、Webサーバー(Apache)上で動作するJavaアプリケーション(キューブ参照ツールと呼ぶ)を介して、Webブラウザ上に分析結果を表示できる。OLAPツールの代表的な機能であるドリルダウン、スライシング、ダイシングの機能を備える。ただし、外部のデータベースから分析対象のデータを抽出、変換、ロードするETLツールは付属しない。

 OpenOLAPは、情報処理振興事業協会(IPA)の助成を受けて9月から開発を開始。12月には試作版が完成する見込みだという。開発工数は50人月を見込んでいる。

 IAFはOpenOLAPをオープンソースとして公開することで、クライアント・パソコンに分析結果を見やすく表示するツールが開発されたり、Oracleなどの商用データベース・ソフトでも利用できるよう機能強化されることを期待している。

(坂口 裕一=日経コンピュータ)