日本IBMは11月7日、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)に格納されたファイルに対してUNIXやWindowsなど異なるOSからアクセスできるシステム「TotalStorage SANファイル・システム(SFS)」を発表した。「UNIXやWindowsなどOSごとに異なるファイル管理の仕組みを仮想化することで、異なるOS間でのファイル共有を可能にした」(米IBMのストレージ・ソフトウエア部門でバイス・プレジデントを務めるイエンズ・ティドマン氏=写真)。価格は最小構成で1401万円から。出荷開始日は11月14日。

 SFSは「グローバル・ネーム・スペース」と呼ばれるファイル管理の仕組みを使い、ファイル名や作成日付などの属性情報をメタ・データとして一元管理する。これに対して従来のSAN環境では、異なるOSからのアクセスに備えて一つのファイルを異なる形式で二重に保有したり、システム間でファイルをやり取りしてフォーマット変換を行うといった手間が発生していた。 

 SFSの威力について、日本IBMの松崎耕介ストレージ・システム製品事業部長は「ストレージの管理コストを削減できる。管理コストはストレージ関連のコストの約8割を占めるだけに、その威力は大きい」と話す。 

 SFSは日本IBMのIAサーバー「eServer xSeries 345」を基に冗長化設計を施した「SFSハードウエア」と、「SFSソフトウエア」からなる。価格はハードウエアが741万円から。ソフトウエアが660万円から。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)