インターネット専業のジャパンネット銀行で10月14日にシステム障害が発生し、一時、インターネットやATM(現金自動出入機)などから取引ができない状況が続いた。日経コンピュータの取材に対しジャパンネット銀行は、「詳しい原因は現在調査中」としながらも、「振り込み処理など何らかの取引が詰まった」と答えた。

 システム障害が起きたのは、14日の午前11時から午後1時40分まで。インターネット、携帯電話、提携ATMからの決済、振り込み、入出金といった取引に相当な時間がかかり、正常なサービスが提供できなかった。一部、取引が成立する顧客もいたが、「多くの顧客が取引できなかった」(ジャパンネット銀行)という。

 障害個所や原因についてジャパンネット銀行は、「現在調査中だが何らかの取引が詰まっており、その取引を取り除くことで、正常に戻ったと聞いている。取引は、通常振り込みのことを指す。連休明けは振り込みが増えるが、それが原因かどうかは分からない」(企画部)としている。

 ジャパンネット銀行は今年5月に22時間連続で基幹系がダウンする、大規模なシステム障害があったばかり。これを受けて金融庁は6月12日、ジャパンネット銀行に業務改善命令を下している。前回はシステムが停止する完全な“ダウン”だったが、今回はダウンではなく、何らかの理由でシステムに負荷がかかり正常な処理ができなかったと見られる。

(井上 理=日経コンピュータ)